ショート(復活)

□エサと獣
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目の前には甘いあまいエサ

「どうすればいいかな?」

雲雀が応接室まで戻るとそこにはソファでぐっすり眠る恋人の姿が…
待たせてしまった自覚はある。
かまってあげることもできず寂しい思いをさせた自覚もあるし、待ち疲れて眠ってしまったのもわかるけれど…

「まさか…眠ってしまうなんてね…」

苦笑を洩らす。
仮にもマフィアのボス候補がする行動じゃないだろう。
鍵もかけずに熟睡なんて…

「う…ん、ふ…」
「…何の夢を見ているのかな?」

ずいぶんと楽しそうだ。
綱吉が寝返りを打つ。
…いつかソファから落ちるだろう。それを待つのも面白そうだけど…
寝返りを打ったことで曝されたその白い首筋に目がいく。

「……おいしそう。」

体中で飢えを感じる。

吸い寄せられるままに近づき、その白い首筋に赤い花弁を散らした。

(後で怒られるかな…)

見えるところにつけたと真っ赤になって怒る姿が目に浮かぶ。
その想像に思わず笑みをこぼす。

そしてさらに強くなった飢えに苦笑した。

(仕方ないよね)

飢えているのに放られた餌を食べない獣はいないだろう…

僕の前に無防備に寝ているのが悪い。

そう結論付けると雲雀はゆっくりと綱吉の上に覆い被さった。

「いただきます。」

哀れな餌が起こされ、食べられるのは…

すぐそこ。




放課後の応接室=獣の檻

(ひゃぁぁ!!?なにしてるんですか!?)
(食事。君が悪い。諦めて食べられて。)
(何言って…!!ん!!ん〜〜!!あっ…)
Fin
2012/10/22
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