ショート(復活)

□世界の終わり
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「僕の世界は今日終わった。」
「俺の世界は今日始まりましたよ。」

夕暮れの教室で二人の少年が肩を並べて床に座り込んでいる。
並盛最強の不良、風紀委員長の雲雀恭弥と並中一のダメ生徒、ダメツナもとい沢田綱吉。
ある意味並盛一有名である二人がなにをするでもなく、座り込んでいた。

「僕の世界は二色でできていた。」

雲雀が前を見つめたまま、平坦な声で言う。
綱吉はただ聞くだけでなにも言わず、その顔には何の表情も浮かんではいなかった。

「僕の世界は二色でできていたんだ…でも、いつのまにか君という異色が混ざった。」
「……。」
「君という異色を認めた今、僕の世界は終わったんだ…」

「…俺の世界は色で溢れていました。」

雲雀が口を閉ざし、綱吉が雲雀と同じように話し出した。

「俺の色の溢れる世界に、いつのまにかあなたという黒が混ざりました。」
「……。」
「あなたが広がった今、俺の世界は始まったんです。」

そう言って綱吉は雲雀を見る。雲雀も綱吉を見る。

「君を受け入れたから僕の世界は色があふれた。」

漆黒の瞳が鋭く突きさす。

「あなたが大きくなったから俺の世界は黒に塗り固まった。」

琥珀の瞳が柔らかく包み込む。

「「嘘つき。」」

漆黒の瞳が柔らかく細められた。
琥珀の瞳がゆらりと揺れた。

「君の世界は色が溢れたままだろう?」
「あなたの世界はモノクロのままでしょう?」

二人の口元がゆるりと弧を描く。

「「ただ、半分が変化しただけ。」」


まるい世界の終わり。
   半分の世界の始まり。


((あなた(君)は俺(僕)の世界のもう半分。失っては回れない。))

                                         Fin
           2012・11・12

リボーン終了記念。天野先生お疲れ様でした!!!

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