その他(GHなど)
□そんな冬の日
1ページ/2ページ
「ねぇ、ナル?」
「……なんだ。」
ナルのマンションのリビングでまったりとソファの下に座っていた麻衣が読書中のナルに声をかけた。
ナルは視線を本から外さずに声だけを返す。
しかし、そんなのはいつものこととばかりに(返事が返ってきただけでも御の字だ)麻衣は気にせず話しだす。
「寒いねぇ。」
「…………………そうだな。」
「風も強いよねぇ。」
「………。」
「曇ってるし…」
「……………………麻衣。」
読んでいた本をぱたんと閉じてナルが麻衣を手招きする。
麻衣はにっこり満面の笑みでいそいそとナルの隣に座った。
すると、ナルが麻衣を抱きこんだ。
「……これでよろしいですか?谷山さん。」
「ふふ。ありがと。ナル。」
麻衣は幸せそうにナルの胸にすり寄った。そんな麻衣にナルもかすかに頬を緩める。
温もりが欲しくなる
そんな冬の日
(…麻衣。)
(なぁに?)
(今度は僕に付き合ってもらうぞ。)
(へ?)
(温かくなることをしましょうか?)
Fin
2012/11/17
次あとがき