リクエスト

□これでも文句があるだろうか
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ザワッと会場がざわめく。

不本意ながらも主役として参加させられたザンザスと雲雀の二人はその異様なざわめきにそちらを向く。
目を見開いた。
そのまま思考がフリーズする。
まさかと思う。まさか、でも、この異様な胸の高鳴りはありえない。
会場中のどんな美女にも視線さえ向けなかった二人の視線までも釘づけにしたそこには二人の女性が立っていた。


輝くばかりの豊かな銀髪をアップにし、切れ長の刀身のような鋭い目をした隙のない冬の冷気をまとったような女性と
ふわりとした茶髪を背中に流し、大きな甘いとろりとした琥珀色の目をした少女のような女性。


誰も視線を外すことができない。
動くことさえままならない。
女性たちの視線が二人に向けられた。

視線が絡む。
大きく高鳴る胸。

おかしい。
こんな気持ちを感じるのはありえない。
こんな気持ちはたった一人にしか…
女性たちが一歩踏み出す。
ハッと我に返る。
それでも半ば茫然としたまま女性が正面に来るまで見守ってしまう。
女性たちはそれぞれの目の前に行くと一人は照れ臭そうにそっぽを向き、一人はふんわりと笑いかけ、名を呼ぶ。

その声を聞き、男たちは驚愕に目を見開いた。



「つな、よし…?」
「カス鮫…」





『女性』たちは得意げに笑った。
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