頂き物

□MERRY Xmas
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「今年の良い子はどれぐらいいるかなぁ?」

 鼻唄付でこの周辺のプレゼントを配るのを任されているサンタクロース―綱吉は良い子リストをみる。
 ほとんど問題なく良い子なのだが、どうしても一人だけいつも良い子リストから外れいる子がいるのだ。

「またこの子かぁ…」
 
外れている子の名前は雲雀恭弥。
 綱吉が担当している町の地主の息子だ。
 気に入らないと言う理由で人をトンファーで殴る(彼はその行為を噛み殺す、といっている)ため、どうしても良い子リストに乗ることができないのだ。
 実際はそれさえなければ動植物に優しく、規則などきちんと守っていないと気が済まない性格をしている。
 綱吉は悩むが当の本人はサンタクロースなんてものはただの不法侵入者以外の何者でもなかったし、そもそも知らない人から貰うプレゼントなんて開ける気にもならなかったのだ。
 むしろ今年はそのサンタを捕まえようかと思ってさえいるのだ。
 恭弥がそんなことを思っているとは知らない綱吉はとりあえず、彼の良いところを偉い人に伝え、なんとかプレゼントをあげれないかと聞く。 これも毎年のことなのでため息をつきながらも行った。しかし、どんなに綱吉が恭弥のいいところを言ったところで、それ以上の前科がある。 そのため【ダメ】と言う返事しか返ってこなかった。

「今年も…ダメだったかぁ…」

 一人、そうつぶやく。
 けれども綱吉は彼は決して悪い子ではないことを知っているのだ。 だって、彼がいるから綱吉の区域はよい子が多いのだし、彼がいるから彼の区域は花がたくさんある。 どれもこれも彼のおかげだ。 しかし、それを上層部は知らないのだ。 子どもがそんな事をするわけがないと、決して信じてはくれない。 それどころか、綱吉が持ってきた報告書は嘘だと決めつけるのだ。

「オレだって、サンタクロースなんだから、嘘つかないのにな…」

 そう思うが、サンタクロースとしてはまだまだ半人前の綱吉はどうしても、認められはしないのだ。
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