SweetS×Spice!!

□第2話。
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吉永さんと付き合う事に
なって1週間位経った。




『どーゆーこっちゃ。』


『いや、お前の頭がどういう
思考してんだよ。
真面目に勉強しろ勉強を。』





私は今、この目の前にいる
目付きの悪い男に勉強を
教えてもらっている。
もうすぐテストであり、
赤点だけはどうしても逃れたい
一心でこの男に頼る事にした。





『お前俺に嫌がらせしに
来ただけだろ。
教えた事何も理解してねぇじゃ
ねーか……。』


『そりゃアンタの教え方が
悪いからです。』


『テメェぶん殴られてーのか。』





そんなことあるわけがない。
私は溜め息を吐いて机に
突っ伏した。
畜生め、頭がよけりゃコイツに
教わるなんて事なかったのに。




私は昔から勉強の中でも、
数学が大の苦手だった。
どうしてか知らないが脳が
全く理解してくれない。




『オイコラ寝てんじゃねぇ。
誰が教えてやってると
思ってんだ。』


『もー無理。
頭パンクするって。』





私は持っていたペンを置いて
立ち上がる。
こう机にダラーっとしてるのも
勉強中であると、分かれば
分かるほど気が滅入るわ。





『おい何処行くつもりだ。』


『散歩。』


『嘘つけサボるつもりだろ。』


『じゃあトイレ。』


『じゃあって何だよ…

ってオイ!!』





私は一目散に走り出した。
アイツに頼んだ私が馬鹿だった。
ろくに休めも出来ないアイツの
勉強法なんて私にあってる
わけがない。




私に合っている勉強法と
言えば……。
自由且つ楽に出来る。
この2つが当てはまっていないと
勉強なんてやってけない。
そんな私にぴったりの勉強を
教えてくれそうな人の所へ
逃げた。






―――ピーンポーン


『吉永さーん、ちょっと
助けてくれませんか〜?』





返事がない。
居留守か?いや変だろ。
仮にも恋仲になったと言うのに
居留守なんて普通しなくね?
浮気でもしない限りそれはない。





―――ピンポーン


『吉永さーん、居るのは
分かってますよ〜。』





我ながら借金の取り立て屋の
ような呼び方だと思った。
なのに肝心の吉永さん本人が
出てこないとはどういう事だ。





『勝手に入りますよ〜。』





今度はまるで空き巣のようだ。
我ながらもっとましな入り方は
出来ないのか、と問いたくなる。




半場諦め気味になった所で
何となく戸に手をかけると
簡単に開いた。
不用心じゃないか?
そのまま入る自分も普通から
したらどうかしてるのだろうが。





『吉永さん、どうして出て
くれねーんですか。』





ちょっと乱暴に言いながら
お邪魔するが吉永さんの
声はない。




本当にいないのかと思うと
何だか寂しくなった。
昼時だし、もしかしたら
親父さんの手伝いをしているかも
しれない。
吉永さんの家はラーメン屋だ。
自家経営にも関わらず、
結構繁盛しているようだ。




………と、話がそれたが
一向に吉永さんが出てこない。
仕方がないので私は居間で
待っている事にした。









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