ブロークバックマウンテンSJ

□出会い
2ページ/3ページ

「俺はキボム」

キボムがドンへに手を差し出した。

「ドンへ」

ドンへはぶっきらぼうに握手を交わす。
簡単に挨拶を済ませ、二人はサクサクと出掛ける準備をする。
道中にて今後の役割分担を決めた。

「俺は毎年この仕事をやってるから、羊の見張りは俺が行くよ。
ドンへ、お前は麓で料理とか色々頼む。」

「ああ」

山に着くとまず二人で麓のキャンプの準備をし、その日は夕食を済ませてから見張りに行くことにした。

「俺、普段は親父の農場を手伝ってて、この時期だけ毎年シンドンに雇って貰うんだ。
親父は俺のことが気に入らないみたいで、折り合いが悪いんだ。
ドンへ、お前は普段は何をやってんだ?」

「俺は山を下りたらソンミナと結婚する。
この仕事が終わったら次の仕事を探す。」

(婚約中か。そりゃあ余計燃えるなあ。)

キボムがそんなことを思っている一方で、ドンへはキボムとの会話を楽しむ気は無いらしく、さっさと食事を済ませ片付け始める。

「お前もさっさと食って、
あんま暗くなんねえ内に行った方がいいぞ。」

「ああ」

(「ああ」じゃねえよ、さっさと行けよ。
気持ち悪くて落ち着かねんだよ。
でも、ここで一緒に寝なくていいのが救いだったな。)

キボムは食事を済ませると、羊のもとへと向かった。

(ああ〜!
やっと行きやがった、
あの変態野郎。
ああ〜!
これからこんな毎日が続くのかよ。
たまんねえよ。
アイツ、
マジでゲイかな〜?
勘弁しろよ〜。
はあ〜、
こんな山奥、
女もいねえし、
俺どうすんだよ。
耐えらんねえ。
はあ〜、
やっぱ他の仕事にすりゃあ良かった。
はあ〜、
しょうがねえか、
持ってきたエロ本で何とかするしかねえよな。
よしっ!
食糧係りのアイツ買収して、
食糧と一緒にエロ本も頼むか。
あの変態野郎にも渡しとかねえと、
俺のケツが危ねえ。
ん?
待てよ。
アイツが本当にゲイなら、
そっちのエロ本じゃねえと意味ねえよな。
確認しとくか?
マジかよ〜。
こえ〜。
いきなり襲われたらどうすんだ?
待て待て!
力じゃ俺のが上だろ!
よしっ!
朝戻ったら確認するか!
こえ〜。
はあ〜、
とりあえずヌクか。)

ガサガサ
プチッ
ジー
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ