ブロークバックマウンテンSJ

□出会い
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シンドンが経営する羊牧場の事務所。
その事務所の前でドンへはシンドンの帰りを待っている。
そこに1台の車がやって来た。
もちろんシンドンの車ではない。
その車が止まると中からドンへ程ではないが中々のイケメンが降りて来た。

(あいつ、まあまあだな。
俺ほどじゃねえけどな。
あいつも仕事貰いに来たのか?)

ドンへはそんなことを思いながら、
彼には無関心という素振りで、
シンドンを待ち続けた。

(あいつ、中々イケメンだな。
俺程じゃねえけど。
あいつも仕事貰いに来たのか?)

キボムも同じような事を思っていた。
違っていたのは、
無関心な素振りを見せるドンへとは正反対に、
キボムはドンへに妙な視線を送り続けた。

(何なんだよ、あいつ。
ジロジロ見やがって。
気分わりぃな。
ゲイか?
まさかな。
あ〜、ぶん殴ってやりてぇけど、
それが原因で仕事貰えなくなっちまったら困るしな。
あ〜。)

ドンへはキボムの視線にイラついていた。

(う〜ん。
あの反応はゲイじゃねえな。
残念。)

ドンへの様子を見て、
彼が自分とは違うと分かっても、キボムの視線はドンへに向けられたままだった。

そんな妙な空気が流れる中、やっとシンドンが戻った。

車から降りてきたシンドンは二人に見向きもせず事務所に入っていった。

(何だよ、仕事はねえってことか?
あのブタ野郎、ッチ)

ドンへがキボムに目をやると、
キボムは相変わらず妙な視線をこちらに向けていた。

(ッチ、どいつもこいつも)

その時、事務所の扉が再び開いた。

「お前ら!
仕事が欲しいならさっさと入れ!」

(んだと、ブタ野郎!
仕事あんならさっさと言えよ)

ドンへに続いてキボムも事務所に入る。
机に座ったシンドンが二人に仕事の内容を伝える。

「今年も羊をブロークバックマウンテンに連れてく。
去年はだいぶ減ったからな、
今年はしっかり見張れよ。」

(このゲイ野郎と山にこもんのか?
勘弁しろよ。
でもな、ソンミナとの結婚が控えてるし、仕事しなきゃな。
まあ、力じゃ負けねえだろ。
何ビビってんだよ俺)

ドンへがそんなことを考えている間、
一方のキボムはというと。

(俺と二人で山にこもって落ちなかった奴は一人もいないからな。
今までで一番イイ男だけど、
俺の手にかかれば...)

二人の視線が合った。

(俺に触れたら殺す!)

(絶対落とす!)

(何だ、コイツら?
仲悪いのか?
コイツらに任せて大丈夫か
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