千切ったものと契られたもの
□秘書の身体
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「しゃちょっ……」
「動くと切るかもな」
「!!」
私は、刃物の存在に怯える。昔から鋭利なものが苦手な私は、じっとこらえた。
「終わったぞ」
社長の言葉を聞いて、私は肩の力を抜いた。しかし同時に、あそこがとても寒いと感じる。
手をあそこに這わせてみた。
「………」
そこには、つるつるとした感触があった。
「毛があると邪魔だからな」
社長はいまだ自分だけシャツを着ていて、自分は社長の前で一糸でさえも身につけていない状況に慣れてきた事をとても情けなく、恥ずかしく、いやそれ以上のものを感じている。
もう、私の人生は、この社長に支配される運命なのだ。
これも、妹を解放し続けるため。
私は必死で社長の機嫌を損ねないようにする。