千切ったものと契られたもの
□社長の微笑
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寝苦しかった。眼を開けて最初に思ったのはそれだった。
そして次に思った事は―
「!!」
身体が縛られている事だった。
「!っ…!」
口も塞がれ、思ったように声が出ない。
私は途端に恐怖に苛まれ、身体をジタバタと捩る。また気付いた事は、自分が全裸で縛られていた事。
こ、これは!
昨日の事を思い出して、そして分かった。
晴希さんだ。
周りを見てみると、ここはホテルではないような気がする。普通の家ではないか。そう思っていると、ドアが開いた。
「おや、お目覚めですね」
そう言って、晴希さんは私の口元の布をとった。
「っは!」
一気に息を吐き、そして晴希さんを睨みつけた。
「一体!どういう事ですか!!」