千切ったものと契られたもの

□社長の微笑
1ページ/9ページ


寝苦しかった。眼を開けて最初に思ったのはそれだった。

そして次に思った事は―

「!!」

身体が縛られている事だった。


「!っ…!」

口も塞がれ、思ったように声が出ない。

私は途端に恐怖に苛まれ、身体をジタバタと捩る。また気付いた事は、自分が全裸で縛られていた事。

こ、これは!

昨日の事を思い出して、そして分かった。

晴希さんだ。

周りを見てみると、ここはホテルではないような気がする。普通の家ではないか。そう思っていると、ドアが開いた。

「おや、お目覚めですね」

そう言って、晴希さんは私の口元の布をとった。

「っは!」

一気に息を吐き、そして晴希さんを睨みつけた。

「一体!どういう事ですか!!」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ