千切ったものと契られたもの
□社長の目的
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―やはり…。
「会いたいです」
私はピシャリと言った。
「教えてください。どうして私達の借金を肩代わりして下さったのですか?」
社長が相手なのに、すごく気が強い話し方だと、正直自分でも驚いている。
しかしこの疑問は一刻も早く解きたかった。
社長はフッと笑った。
「俺の目的を達成するため」
―…。
「…目的…………とは…?」
私は頭に?マークを浮かべながら尋ねた。
「今ここで言うつもりはない」
社長は目を閉じサラリと言ってのけた。
「…妹は幸せですか…?」
次に思っていることを問う。すると社長は目を開け、衝撃的なことを言った。
「ああ…なんか毎晩泣いているけどね」
―!
「どうして!!」
私は身を乗り出し社長を問いただす。
「さあ?俺は知らない」
「知らないって…あなたが連れ出したくせに!」
相手が社長ということを忘れ、私は怒った。
「…妹思いなんだな」
「たった一人の肉親なんです!」
一つ結びの髪が揺れる。
胸に手を当て私は叫んだ。
「妹を返してください!」