千切ったものと契られたもの
□社長の目的
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広い居間に通され、美味しい紅茶を頂いた。
その時扉が開き、私が身構えると、さっきの男が来た。
「申し訳ありません。ただ今修斗様は不在です」
「でしたら、妹だけでも会わせてください」
「それは出来ません」
男はきっぱりと断った。
「…妹は私の肉親です…他人の貴方達が…会わせないとかおかしいのでは…」
「修斗様のご意向です」
―…。
私はすぐさまこの状況がおかしいと感じた。
どうして会わせてもらえないのか…。
これではまるで…。
「…妹は…幸せですか…?」
最低限の質問をした。それさえも。
「お答えできません」
「どうして…」
「修斗様でしかお答えできません」
「…!」
なんなのだろう、この状況は。
妹は…幸せなの?