krk短編
□大きな変化
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「みんな、今日は楽しもう……では、」
「「乾杯!」」
赤司っちの音頭で、全員がグラスを交わした。
遡るとこ一日。
昨日もあー仕事疲れたなぁ、なんて思ってソファに腰をかけたときにちょうどケータイにメールが届いた。
送り主を確認すると、珍しいことに桃っちの名前があった。
とうとう誰かさんとの結婚報告か?なんて思ったが、内容は飲み会についてだった。
どうやら、赤司っちと桃っちというなんともミスマッチな二人が偶然東京で出くわしたらしい。そこに、桃っちについてきていた青峰っちが合流し、飲み会が決まったらしい。
下にスクロールしていくと、時刻と場所と参加メンバーが書かれていた。
「ヘェ〜、緑間っちとかこういうの参加しないのに……」
珍しいなぁ、なんて思って眺めていると"名前ちゃん''という文字があった。
「え゛……」
名前、といえば俺をシバく係りと言っても過言ではなかった人だ。
よく俺に突っかかって来て、あまりいい思い出はなかった気がする。
しかも、モサコだし。
モサコは、俺がつけたあだ名みたいなもので、由来は前髪長くてなんとなくもさっとしていたのでモサコだ。
普段の俺なら、女の子にそんなあだ名はつけないのだが、俺の中でモサコは、キャピキャピした女の子の括りには入らなかったのだ。
そして、今そのモサコは飲み会に来ていない。
「桃っち、モサコは?」
隣に座っている桃っちにモサコのことを聞く。
二人はマネージャー同士、仲も良かった気がする。
「えぇ!?まだモサコって呼んでたの?
いい加減によしなよ〜」
「いいんスよ。で、モサコは?」
「電車が遅れてるんだって……
あ、噂をすれば電話きた!ちょっと電話してくる」
桃っちは、ケータイを持ったまま席を立っていった。
噂をすれば、ということは相手はモサコだったんだろう。
モサコに会うのも、中学以来だなぁなんて中学時代のモサコを思い出した。
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