長編
□宝物編
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私は入学前から、
海常の女バスのマネージャーをやろうと決めたいた。
もう一度、
名前ちゃんと
頂点を目指して頑張りたかった。
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中学に入学したとき、
まだ私は、バスケを知らなかった。
あのときの名前ちゃんは、
なんていうか、
もっとキラキラしてた。
人見知りが激しいわけじゃないのに友達が全然できなくって。
一人で、登下校してた毎日はとっても淋しかった。
そんなとき、
名前ちゃんが話しかけてきたんだ。
“一緒に、バスケやろう”
ストレートな言葉は、
直ぐに私の胸に響いた。
ルールも何もわからなかった。
けどね、名前ちゃんから、本当にバスケが好きだって伝わってきて、
いつのまにか、私もバスケが大好きになっていた。
こんな風に、
大人になってもバスケをしたいと思ってた。
でも、
大人になる前に、名前ちゃんはバスケが嫌いになった。
今まで通り、仲良くしてるけど、
何を考えてるのか
伝えてくれなくなった。
そして、
「ありがとね」
帰り際に紡がれた言葉。
いつもの、明日ね!とは違ってた。
その言葉を最後に、
名前ちゃんは留学した。
メールは、していた。
電話もした。
けれど、
会うことはしなかった。
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