シリーズ krk

□Purpurrot
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はぁ、と緑間はため息をついた。
紫原のあの性格は今に始まったことではないのだが、困ったことになってしまった。


「ゴメン、苗字っち」
「黄瀬くんたちが気に病むことは微塵もないよ…むしろ君たちが物分りが良すぎたんだ。普通は呪いなんて信じられない。」


苗字はいつものように足を組み、机に腰を掛けて天井を仰いだ。前髪で隠れた彼女の表情は二人とも見えない。


「紫原っちって、悪い人じゃないんスけど…」
「そんな顔しないでくれよ。別にあれくらいで見捨てるつもりはない」


かと言って、紫原の解呪への道は、どう考えても簡単なものではない。


「できるだけ、俺たちからも説得するのだよ」
「それは有難い……それでも無理そうなら言ってほしい。最終手段も持ち合わせているからね」


苗字は、さて、と言いながら机から降りてドアの前に立つ。左手で鍵を踊らせてチャリと音を立てていた。


「もう、閉める……君たちも部活へ行きなよ」
「邪魔したな」
「ありがとッス」


三人ともドアの外へ出て、鍵をガチャリと回した。




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