長編

□少女編
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名前ちゃんと出会ったその次の日から、
俺は、
海常で、彼女を探しだした。

どうしても、もう一度彼女に会いたい一心だった。


けれど、
彼女は見つからなかった。


やはり、
彼女は海常の生徒ではなかったようだ。


彼女と初めて会ったマジバにも、
時間帯を変えて2週間通ったが、
彼女は見つからなかった。


簡単に見つかるとは、思っていなかった。
けど、これだけ探したのに見つからないなんて。


こんなにも彼女に会いたいと思う気持ちと
そのための努力。
自分の中の何がそうさせるのか、よくわからなかった。


しかし、
彼女との再開は、
思わぬ形で果たすことになったのだった。


彼女を探し始めて、三週目。
あの時のマネージャーに聞けば、
すぐにわかるけどなぜか聞けない。
たから、彼女は見つからない。


俺は、こんなことを繰り返していた日々と、自分に苛立っていた。



「黄瀬!」
「あ、笠松センパイ。はよッス。」
「おう。
今日から、この体育館は耐震工事とかで使えねぇから、女バスが使ってるコート、半分借りろ。」
「了解ッス。」


女バスは、確かすぐそこの市民体育館を使っていた。
海常の体育館よりも広くて、けど少し古い。


俺は、荷物を持って
体育館へと足を向けた。



“名前ちゃん”

不思議と引きつけられた。




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