長編

□少女編
3ページ/15ページ

森山センパイが、もう一言彼女に声をかけようとした時のことだった。

「やめてくんなーい、低脳どもぉ」

女子にしては、低い間延びした喋り方で、
フラリと現れた女子。

自然と引きつけられた。

短いオレンジに近い色の輝かしい髪の毛に
見透かされそうな鋭い切れ長の瞳。

そして何より、この背の高さ。

笠松センパイ、
いや、森山センパイよりも大きいかも。
180pは確実に超えている。
自分をこんな角度から見てくる女の子はいない。


「誰に許可出して、コイツに手ェ出してんのさぁ〜」
「手なんか出してねぇよ!」

心外だとばかりに、笠松センパイが、反論する。

その子は、俺たちを品定めする様な目で見ていた。

てか、やっぱ背が高い!
森山センパイですら、見上げている。
二人とも、決して低いわけじゃない、
寧ろ平均以上はあるだろう。


「名前ちゃん違うの!この人たちはね、」
「そんなこと、もうどーでもいいや
早く帰ろーよ〜」

突然の発言にこの場にいた全員が目が点になった。

どうでもいいのかよ、と。

彼女は、本当に帰りたかったのか発言通りすぐにフラリといってしまった。

「あ、じゃあ失礼しますね」
マネージャーも彼女の後を慌てて追った。

名前ちゃん、か。
中学時代の紫色を思わせた。
あの様子だと、マネージャーと同級生だろうか。
どこの高校だろうか。

彼女のことを、
もっと知りたいと純粋に思った。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ