お花売りの少年

□返しに行きましょう
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あの後キオラは古い家の中へと入っていた。

そこは彼の家ではないが空家であり、そこにキオラは住み着いていた。




『……にしても、すっげー高そうだなこれ』


今日市で取った豪華な装飾品。
自分の小さい手に乗るそれはずっしりと重く、どれほど価値があるものかがわかった。


『…やっばいかな?』


もともと自分のモノにするつもりはサラサラないが、今まで取ったどのものより高そうなそれに少し焦る。










『…行くか』




しばらく迷ったあと、キオラは立ち上がった。
いつもならもう少し自分の手の中に収めておくが万が一壊してしまった場合…


こんな大金払えるほど持ち金はない。


ならば行動するのみだろう。







大丈夫。

いつもどおり相手の家にこっそりおいてきたらいいだけさ。






胸騒ぎする自分にそう言い聞かせ、静かに家を出た。








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