お花売りの少年

□狸寝入りでしたか
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バン!


大きな音を立てて目の前の扉が開いた。

ぼやける視界で確認すると、そこには…




「っ!?!?」


「……」



ハクハクと開いた口が閉じれないのか、唖然としているシャルルカンと呆れたように覚めた目でシンドバッドを見下ろすますルールがいた。




「…大丈夫か?」


『あ…ん…』


しばらくして溜息を吐いたマスルールがキオラの脇の下へと手を伸ばし抱え上げた。

そのままシャルルカンの方へと向かったかと思えばボスンと腕の中へと落とされた。



『っ?!』


「あ、あぶっあぶねーだろマスルール!!」


咄嗟にキオラをキャッチしたシャルルカンがマスルールに向かって怒鳴る。

それをスルーし、再びシンドバッドのもとへ戻っていった。




「…シンさん、起きてるんでしょう」


「………」


「…」


そう声をかけるがシンドバッドはダラダラと冷や汗を書くだけであくまでも狸寝入りを決め込むつもりらしい。

それを確認したとたん、マスルールのまとっていた空気が変わった。



それにいち早く気づいたシャルルカンがキオラを抱えたまま部屋を飛び出した。



執務室からは何やら叫び声が聞こえているが、ぼんやりとしているキオラには届いてなかった。







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