お花売りの少年
□狸寝入りでしたか
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勢い良く入ったはいいものの、探している姿が見当たらない。
おかしい、確かに匂いはここからしてるのに。
そう思いながら探していると…
『あ。』
いた。
執務机に突っ伏して死んだように寝ているシンドバッドが。
目の下には隈が出来ていて、徹夜をしたことがわかった。
さすがのキオラでも、寝ている相手を無理に起こすことはしない。
そりゃあかまって欲しいが仕事が終わったならばいつでも遊んでもらえる。
ここは大人しく退室しよう。
そう思って踵を返そうとしたのだが、思いとどまった。
『……』
「すー……」
寝息を立てているシンドバッドの顔をまじまじと見つめる。
顔は整っているとは思っていたがこんなにじっくりと見たことがないため、キオラはシンドバッドに見惚れていたのだ。
(うっわぁ…すげぇ綺麗…)
そろそろと近づいて、よく観察しようとした。
ら。
『う、わぁぁあ!?』
あれ、これデジャブ?
。