お花売りの少年
□ごめんなさい
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「…そうか、遊びたかったのか」
『ぅ…う、ん…!』
「それなら俺たちはいつでも遊んでやるぞ!」
シンドバッドのその言葉にキオラは目を見開く。
少しの期待と、若干の不安要素を混ぜてシンドバッドを見上げる。
『ほ、ホントか…?』
「ああ、勿論!だけどな、この金属器は俺にとっては大切なものなんだ。だから俺たちはお嬢さんが何故盗ったのかを知りたかったんだ。」
でも、人のものは盗っちゃいけない。そう言い終わるとキオラは気まずそうに、口を開いた。
『ご…ごめんなさい…』
「寝たな。」
「はい」
「泣きつかれたのでしょう。」
まだ子供ですから。そう言うとジャーファルはキオラを抱きかかえ別室に連れて行く。
「ジャーファル君、俺の部屋でもかまわないぞ?」
「この子がかまいますので。」
冷めた目でそう告げ、部屋を後にした。
そこに残ったのは嘆いているシンドバッドとそれを慰めているマスルールだけだった。
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