お花売りの少年

□ごめんなさい
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『ぅ……』


「「?!!」」


雫がポトリ、とキオラのほほに伝ったのがきっかけになったのか、キオラは本格的に泣き始めた。



『ふ、ふぇ…ぅぅぅ…!』


「えええ?!ちょ、シン!何泣かせてるんですかっ!」


「おおおお俺?!ご、ごめんな泣かすつもりは…!」


突然泣き始めたキオラに困惑したジャーファルとシンドバッドは騒ぎ始める。

やれシンの目がきついだの、やれジャーファルがそう言ったからだの。




「…なにやってんすか二人とも…」


未だに嗚咽を漏らしながら俯くキオラをマスルールがなだめていた。
と、言っても背中を撫でる程度だが。




「こ、怖かったよな?」


『っっ!』こくこく


「わ、私たちは何故君が金属器を盗ったかを知りたいだけなので決して泣かすきでは…!」


『ん…!』こくこく



「な、何で盗ったのかなぁ?」


先程よりは大分優しいおどけた口調でそう聞く。
すると今度はゆっくりとだが話し始めた。


『ぼ、僕、ここに来てまだちょっとで…』


うんうんと聞く体制に入るシンドバッド達。


『だ、だから…その、あ、あああ…』


「「あ?」」











『遊びたかったんだよぉぉ…!』







やけくそだというふうに言い切ったあと、今度は声を大にして鳴き始めた。








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