お花売りの少年
□騙すのは得意です
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「シシシシシシン!!あんたどこやったんですかああああああ!!」
何度もどもりながらもシンドバッドの両肩を掴み、ガクガクと揺する。
「お、おちつ。落ち着いてジャーファル君」
「落ち着けるかあああああ!!」
その時だ。
ジャーファルの目に、キラリと輝くものが見えた。
「っあの子…!」
それは先程花を買って欲しいと売りに来た、子供から見えていた。
困惑しながらも声をかけると、くすくすとした笑い声が聞こえた。
『へ〜。こんなに早く気づいたのはあんたらが初めてだよ。』
そう笑い、カゴの中身をちらつかせる。
それは紛れもなく金属器で。
「っマスルール!」
「了解」
ジャーファルはそう叫び、子供の方へと向かわせる。
マスルールは相手がなるべく怪我をしないように足を振り上げるが。
『駄目だぜお兄さん。こんなとこで暴れちゃあ』
振り下ろした先に、その子はいなかった。
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