お花売りの少年

□騙すのは得意です
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『あの…』



小さな高い声に、二人も動きを止めて声の方へと向いた。

そこにはフードを深くかぶり、手には花が入っているかごを持った子供がいた。




『お花を、買ってくれませんか?』



おどおどとそう言う子供に、シンドバッドは顔をほころばせた。



「買わせてもらおうかな。いくらだい?お嬢さん」


「ちょ、シン!」

デレデレとした様子にジャーファルが非難の声を上げるが、子供は嬉しそうに声を弾ませた。



『ホントですか?!ありがとうございます…!』


女子供に弱いシンドバッドのことだ。
何を言っても聞かないだろうと、諦めのため息を吐いた。


後ろでシンドバッド達がやり取りをしている間、マスルールに愚痴を言っているとシンドバッドが振り向いた。

その両手には小さな花束。



「たく…今回だけですからね」

「ああ、わかっているさ。」

「なんだかんだいってジャーファルさんも甘いっすよね」



ワイワイと話している時に、ふと違和感が駆け巡る。



「あれ―?シン、何か違和感がするんですが…」


「そうか?」


いや、そりゃあ両手に花束を持ってちゃ違和感バリバリだろうけど。


二人が首を傾げていると、マスルールが「あ、」と声を上げた。



「?どうしたマスルール」


「シンさん―

















金属器は?」









「「…ああああああああ!!」」
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