お花売りの少年

□騙すのは得意です
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ガヤガヤと賑わっている町を、太陽は照らしていた。

暑くて今にも倒れてしまいそうだが、人々はそんなことは関係ないというふうに市をしている。



そこを、身なりの良い3人が歩いていた。

一人は豪華な装飾品を身にまとい、紫色の髪の毛を揺らして歩く。


一人は頭の上にクーフィーヤを付け、顔のそばかすが印象的な青年。


一人はとても身長が高く無表情で赤い髪を持つ男。





「ジャーファル、買うものはそれで全部か?」


紫色の髪を持つ男が、口を開いた。
それに応えるのはジャーファルと呼ばれた青年。


「はい。これだけですね。」


淡々とそう返して、男―シンドバッドの方へと向いた。


「いや…まだ一つ買ってないものがあるぞ!」


シンドバッドは目を輝かせ力強くそう言うが、赤い髪の高身長な男、マスルールは冷ややかな視線を向けた。


「まだ買う気っすか?」

「ええ、もう十分かと…」

首をかしげるジャーファル。








「酒を買っていない!」

「ふざけろ」



シンドバッドは叫ぶが、ジャーファルは先ほどの温かい目が嘘のように殺意がある目を向ける。

それもそのはず。
本来なら今頃仕事中だが例のごとくシンドバッドが脱走したため追いかけていたら、運悪く町の方まで逃げられてしまったのだ。

それで丁度買い出しに来ていてマスルールにでくわし、今に至る。





シンドバッドとジャーファルが口論をしている時に、小さな影がシンドバッドの方へと動いた。








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