□エデンの騎士
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「猿比古さぁーんっっ!!お帰りなさい、怪我は無い?無茶してなかった…!?」

「名前、ただいま。大丈夫、なんともないよ。」




久々に見慣れたオートロックの自宅の戸を開ければ、可愛らしい名前が飛びついてくる。


しばらく見ていなかった、残業詰あとの名前の笑顔に自然と顔がほころぶ。




「3日ぶりですね!ちゃんとご飯は温かくして置いてあるんでどうぞ冷めないうちに!」



ふわりと立ち込める部屋いっぱいの彼女の香り。

なんとなく自宅に帰ってきた実感が湧いて、いくらか肩がほぐれる気がした。




こんな帰ってくる日がまちまちな生活でも、自分と添い遂げると決め笑ってくれる名前。


多忙な日々ながらも、幸せ過ぎて仕方ない。




「今日はなんとなく帰ってくる気がしたから、猿比古さんの好きなお鍋なんですよ〜。」




嬉しいこと言ってくれる…



優しく微笑む彼女に美味しいと伝えればまた柔らかく笑顔を見せる。


あぁ。こんな幸せがずっと続けばいいのにー…



そうは願うけど。




「猿比古さん、今回はどれ位家に居られますか?」

「うーん、最近吠舞羅の動きが怪しいって言ってるから、明日の昼くらいに家を出るかな。」

「…そうですか。お仕事頑張って下さいね!」




しょんぼりしたのちに、無理やり悲しそうに笑う名前。

無理やり笑わなくとも、もう手に取るように名前の考えなんて分かるのに。




「大丈夫。金曜から有休貰ったし、土日はとことん二人で過ごそう。」

「ほんと…!?」

「もちろん。」




ぱぁぁと効果音がつく位に顔を綻ばせる彼女をみて思わず自分まで頬が緩む。



あぁ、いつもこんな顔させてられたらなー…なんて。







「…じゃあ…気をつけてね?怪我しないで無事なまま帰って来てね?約束…金曜にね…?」

「うん。ちゃんと守る。」

「いってらっしゃい。」




異様なまでに過保護だと思うだろうか?


でも、これ位はしないと。いつ、死に別れるかも分からない仕事なのだから。


だから…だから明一杯別れを惜しんで送り出すのだ。



「…いってきます。」




そっと触れるだけの口づけを残して幸せを後にする。


そして、今日も家で待つ愛しい妻を思い浮かべ、せいぜい死なないようにだけ頑張るのだ。




エデンの騎士



(伏見さんて、帰宅あった日の次はいつもにこやかですね)(そりゃ、それ自体が幸せの塊だからね。)(…?)(結婚して、大切な人出来たら分かる。)(…あぁ、そういう事ですか。)


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リクエスト消化です(^ω^)


いやぁ、新婚と聞いてもやっぱり、

幸せと言うのがなかなかあの組織では難しい事を思い知らされましたおぅふ…

それでも健気に待って癒してくれるってね。


ではでは、リクエストありがとうございましたっ!

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