記念用
□素敵なかくれんぼ
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菖蒲「なぁ、千歳知らん?」
千歳と同じクラスの友達にこそりと聞いてみる。
「千歳くん見てないなー他の子も探しとるみたいやけど鞄もないんよ」
それを聞いて小さくため息を漏らす。
菖蒲「あんなデカい体した男が見つからんとかいまだに信じられへんわ」
はぁー、と大きく肩を落とす。
「いつものことやん」
菖蒲「まぁそうなんやけどさ」
いつもこのかくれんぼに
付き合わされる身にもなってほしい。
なんて言っても笑って流されるだけなんは分かっていて。
「教室に来てないだけで学校内にはおるやろうから探しに行ったら?」
菖蒲「…そうする」
こんなところでため息ばっかりついとっても
何にもならないのはこれまでの経験から分かりきったことで。
菖蒲「ほな、いつものかくれんぼと行きますか」
そんなあたしの呟きは
廊下から聞こえる黄色い声にかき消された。
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