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□そんなまさか
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私が中学生だった時には、スタイルの良い若い教師は、大概にして生徒に人気だったような気がするのだが…最近は違うのだろうか。

それに、

私は今まで、こんなに生徒のために尽くせる教師を見たことがなかった。


目の前で、彼が弟の―生徒のために命をかけるところを、見た。

内外ともに、素晴らしい先生なのに…


―あいつ、顔がほら…怖えーじゃん?だからさ…―


弟の言葉が脳裏に蘇る。

そうか。顔か…

確かにハデス先生の顔…というか、皮膚は、何かの病気(弟やその友人たちは病魔だとか言っていたような…)で、常人ではあり得ないようなひび割れ方をしている。

まるで硬質なものに打撃を加えた時のようなひびが、彼の顔についているのだ。
怖いと言えば怖いのだろう。

しかし…と私は思う。

"先生は、お顔も端正でいらっしゃる"


よくよく見れば、彼の顔はひどく整っていた。

鼻は高く、目は切れ長で、唇は薄く理知的だ。


その口から発せられる声音が、低く甘く掠れていることも、私は知っている。
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