ZAGARDIA TALE

□序章
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思い出した…

確か自分は 何だかよくわからないうちに
国枝に殺されかけたんだ。

きっと国枝は狂っていたんだろう…


「しかし…困りました…」

思い出してみたところで
結局何も解決していない。

殺されかけたはずなのに気づいたら森の中…

「死体遺棄ですかね?
ああでも私は死んでないので…生体遺棄?
う〜…わかりません。」

もう自分でも何が何だかわからなくなってきた。

とりあえず原因を探るのはもう止めよう。
そんなことより状況分析が今やるべきことに違いない。
由莉はこれ以上悩むことにさじをなげた。

とりあえず自分の状況を見る。

深紅のロングドレスに毛皮の上着。
パーティーの時のままの服装だ。
靴ははいていない。

どう考えても、こんな深い森に似つかわしくない格好をしていることだけはわかった。

「さて、ここにいても仕方ありませんね。」

由莉はそうつぶやくと立ち上がった。
体のあちこちがズキンと痛んだか、そんなことをいちいち気にしている場合ではない。

「とりあえず、行きますか。」

体がようやく痛みになれた頃、由莉は一歩踏み出した。


少女は自分の運命をまだ知る由もない…


          《完》
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