短編集
□猫ちゃんがくれたもの
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事の始まりは光定が青い毛並みに同色の瞳を持った猫を拾ってきたことから始まった。
それは猫で、うるうるとした瞳でガイを見ていた。
「ガイ!この猫飼おうよ!ほら、かわいいよ!」
「…………却下。」
「何で!?こんなにかわいいよ!?」
「かわいいよ、じゃない!大体お前は、何でも拾ってき過ぎだ!大体猫なんて、どこで飼うつもりだ!」
「どこでって、僕のマンションだよ。」
「何言ってるんだ。お前のマンションはペット禁止のはずだろ。元いた場所に戻してこい!」
すると光定は泣きじゃくりながら『ガイの馬鹿!剣闘士なんて名ばかりのくせに!』と言いながら去っていった。
猫を抱えて。
「コウテイ…って、誰が名ばかりだ!」
「図星じゃない。私に説教された時、コウテイを盾にしてたくせに。」
ユリの言い分に、ガイはぐうの音も出なかった。
「どうするの?コウテイ出て行っちゃったじゃない。」
「…放っておけ。すぐに戻ってくるさ。」