短編集

□無敵少年と主導少女
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紫のショートカットに黒の瞳を持った少女は普段通りにキャピタルに来た。

だがそこには見知らぬ人物達がいた。

モーブのショートカットにライムグリーンの瞳の少年、珊瑚色のセミショートに同色の瞳を持った少女に、フロスティブルーのショートカットにサファイアブルーの瞳を持った少女がいた。

店番は店長代理のみ。

なんと不用心なのだろうか。

そんなことは関係ないと思い、少女・里真ハルミは少年達に声を掛けることにした。


『あんた等誰?』

シロガネ「いや、お前こそ誰だよ。」

サンゴ「君だあれー?」

アマナ「だれですかー?」

『私の名前は、里真ハルミっていうんだけど。』


軽く自己紹介したところで、少年達も自己紹介を始めた。


「俺は片鱗シロガネだ。」

「あたしは夕闇サンゴ。」

「あまなは、なつきあまなっていいます!」


『片鱗?夕闇?夏葵?まさか…ここって、先導少女と無敵少年の舞台?』

「はあ?お前何言ってるんだ?」


シロガネは知らないだろうが、ハルミの世界では『先導少女と無敵少年』というタイトルのヴァンガードアニメがファイター達の間で流行っているのだ。

そのファンの一人であるカムイによると、先導アイチが女性であり、そのストーリー性と主人公の過去と性格から、女性のファイターに人気の高いアニメである。

逆に、シロガネ達の世界ではハルミが主人公のヴァンガードアニメが人気のようだ。


するとサンゴは何かを閃いたようだ。


「もしかして…シロガネ君のインビシブルの力が、ハルミちゃんの持っている力と共鳴して、何やかんやで超次元的なことが起きたってこと!?」

「ちょうじげんてきなことー!すっごいです!」

何がすごいのかは分からないが、ハルミは嫌な予感がした。

『って、ことは…まさか、先導は、女?』

「…そうだが?」

『…この小説がヴァンガの同人サイトの間で広がったら、先導アイチ=女性っていう概念が広がるんじゃないの?』

「それはないだろ。て言うか、同人サイトって何だ?」
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