先導少女達と強豪少女達
□ぜろ せかいのきりつ
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少女は一人、大きな扉の前にいた。
その容姿は雪のような純白の髪に、清らかな海のような紺碧だった。
『……ここは、一体何?』
≪汝に尋ねよう。死とは何だ。≫
『……死?』
≪我の問いに答えよ。死とは何だ。≫
少女はぼけーっと考えたが、はっきりとした口調で答えた。
『死とは…神様が生き物に与えたもの。そして…生きる意味を探す時間をくれるもの。』
≪……それが、汝の答えか。なら、我は見守ろう。汝が、どうやって生きるという壁を超えるかを。≫
『……生きるという、壁?』
『……?』
目覚めた時に移ったものは、見慣れた天井だった。
少女はむくりと起き、眠たげな目をこすりながら朝食を食べる為にキッチンに向かった。
「お、フヨウ。おっはよう!」
『おはよう、アオイ姉さん。』
「フヨウ、さっさとご飯食べちゃいなさい。冷めちゃうわよ。」
『うん分かったよ、お母さん。』
「お父さんは今日帰ってこないってさ。何か宴会あるとかで。」
『そっか。ねえお母さん、今日アイチちゃんやエミちゃん連れて来てもいい?』
「いいわよ。確かフヨウが昨日作っておいたクッキーの生地あったわね。焼いておくからね。」
『ありがとう、お母さん。』
「さ、ご飯食べて学校行きなさい。」
『はい。』
「お、巫じゃねえか!おっす!」
『おはようございます、三和君。』
「巫、今日はキャピタル来ないのか?」
『ごめんなさい。今日はアイチちゃんとエミちゃんとお茶会しようと思っているから。』
フヨウは三和の誘いを断り、教室に入る。
そこから彼女の一日は始まる。