Medium story

□何で今まで気付かなかったのだろう。
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鳩尾の圧迫感も苦しさも、顔の熱さも。

全てが隊長への恋心の表れ…?




『まさか、そんなー…』


「…あのね、誇虎ちゃん。」




ルッス姐さんの真剣な眼差しが
サングラス越しにこちらに向いている。




「もしもスクちゃんが誇虎ちゃんの
知らない女性と親しげに話したり
抱き合ったりキスしていたりー…
そんなところを想像してみて?」




隊長が、私の知らない女性と、親しげに
話したり抱き合ったりキスしていたりー…




『あ、れ…?』


「どう思ったのかしら?」


『何か苦しいし、嫌な気持ちだし、
 ー…何でだろ、泣きそうです。』


「じゃあ苦手な相手に対して
普通、そんな感情を抱くのかしら?」


『え?』


「苦手な相手ならその人が何をしようが
自分に関係の無い、無害な行動であれば
別にどうだっていいんじゃないかしら」




確かにそうだ。

自分に無害ならどうだっていいはず。

なのに、どうしてだ…?


…そういえば私、隊長との会話内容は
覚えてるけどケーキの味は“美味しい”って
事ぐらいしか覚えてないや。




『ルッス姐さん、ありがとうございます。
 私、行って来ますね…!』










何で今まで気付かなかったのだろう。










「全く、手の掛かる子ねぇ…」

そうは言いつつも嬉しそうに笑いながら
再び紅茶を飲み始めるルッスであった。


*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*


やっと次回、完結(^ー^)☆

20121122

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