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□意外と不器用
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青く澄んだ空、キラキラ眩しい太陽、
爽やかな風にさえずる小鳥ー…

「今日も良い朝ーっ!」

んーっと伸びをすればパチリと醒める目。

今日も1日暗殺頑張ろう!なんて思ってたら、

「…あり?」

隣で頬杖をついて寝転びこちらを見上げる
金髪にティアラを乗せた人物が。

「ししし、オハヨ姫(プリンチペッサ)」


……。


「ふ、不法侵入ーっ!!!!!!!!!!」


少女の叫びと共に“ばっちーん!!!”と
実に痛々しい音がVARIA内に響いた。


***



「王子をぶっ叩くとかマジありえねーし」

「女の子の部屋に不法侵入する方が
マジでありえねーし、だから!」

「別にオレ、起こしに行っただけだし」

「だからってベッドに入る必要ない!」

「だって俺、王子だもん」

「理由になってない!
ねぇルッスーリアはどう思う?」

談話室でルッスーリアを挟み口論する2人。

半泣き状態の誇虎に対して
全く反省の欠片も無いベル。

誇虎の頭をよしよと撫でながら
そうねぇ、とルッスーリアは口を開いた。

「ねぇ誇虎ちゃん、どうしてベルちゃんが
そんな事したのかわかるかしら?」

「わかんない。」

「あらそう…ベルちゃんはまだ何も
誇虎ちゃんに伝えてないのね?」

「うるせーオカマ」

プイ、とそっぽ向くベルに
うふふ、と笑うルッスーリア。

「あのね、誇虎ちゃん。
男の子はね好きな子をいじめちゃうのよ、
特に不器用な男の子ほど、ね?」

それだけを言って鼻歌を歌いながら
去っていくルッスーリアを見ながら
やっと言葉の意味を理解した誇虎が
ベルをじぃっと見る。

「…ベルくん」

「そーゆー事だから今日から俺の姫決定な」






意外と不器用






今はじめて知った事。

私の王子様は意外と不器用でした。



(じゃあ今日からベルくんは私の王子様だね)
(そーゆー事)

*END*

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