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□今更後悔しても
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「ねぇスク…」
「なんだぁ」
「私の事、もう好きじゃないの?」
俺の同僚でもあり恋人である誇虎。
突然聞いてくる内容がこれとは…
どうでも良すぎて笑えるぜぇ。
「うるせぇ…今は剣磨きに集中してんだぁ」
「…そっかわかった、ありがと」
「…」
「つまらないこと聞いてごめんね?」
その声が少し震えているもんだから
少し顔を見ると悲しそうに笑んでいた。
だが俺は構わず剣を磨く。
今はこいつが悲しそうであろうが
何であろうが俺には関係ねぇ。
正直言って最近お前が鬱陶しいんだぁ。
じゃあ帰るね、とソファから立ち上がり
ドアに向かって歩いていく誇虎。
「ー…ばいばい、スクアーロ」
そう呟いた声が聞こえたと共に重い扉は
ズウン…と音を立てて閉まった。
最後のはどういう意味だぁ…?
そう考えたのも一瞬で
直ぐにそんな事は忘れてしまった。
***
あれから何時間経っただろうか。
突然ルッスーリアが俺の部屋の扉を
蹴破る様にして入ってきた。
「スクアーロ!」
「うるせぇぞぉルッスーリア!
俺は今疲れて「誇虎ちゃんが」…あ゙?」
「誇虎ちゃんが、亡くなったわ。」
「ゔお゙ぉぃ…
シャレになんねぇのはやめろぉ…」
「一人でSSランク任務に行ったのよ」
「ゔお゙ぉぃ…SSランクって…」
SSランクは滅多にない、
成功率は20%未満だがボンゴレの為に
絶対に行わなくてはいけない任務だ。
勿論暗殺部隊の任務に命の保障はない。
「流石は幹部といったところかしら…
任務は成功したわ。報告書までしっかり
書いちゃっていてね…」
「なら、何でー…」
「そうね、任務終了後に直ぐ医務室に
行っていたら助かっていたわ。
でもあの子ったら敵アジトのベンチで
昼寝でもする様に寝転んで…」
「嘘だ、あいつが死ぬ訳がねぇ!」
「…ねぇスクちゃん。」
「なんだぁ」
「貴方は誇虎ちゃんのこと、
ちゃんと愛してあげていたの?」
***
ルッスーリアと共に医務室に向かうと
そこにはベル、マーモン、レヴィ、ボスー…
そして誇虎がいた。
触れると冷たく、話し掛けても返事しない。
本当に、彼女は死んでしまった。
今更後悔しても、彼女は戻って来ない。
誇虎はたまに自暴自棄になる事がある。
今回は俺のせいだろう。
俺が誇虎を殺してしまったのだ。
最近鬱陶しいと思っていた
あの笑顔が無性に恋しい。
あの笑顔を鬱陶しいと思っていた俺は
平和ボケならぬ幸せボケをしていたのだ。
そうでなければ、今頃俺の隣には彼女が
あの笑顔を俺に向け、隣にいている筈だったのに。
end