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□伝わらない
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「ふぁ〜山本君カッコいいなぁ」

「…またそれかよ」

「だって見てよあの姿!
野球という名の青春をするあの爽やかな姿!
最高すぎるでしょー…」

俺の想い人のコイツは中1の時から同じ組で
野球馬鹿こと山本武に恋している。

いつも隣に居るのは俺なのに
コイツは俺に見向きもしない。

というよりコイツにとって俺は
恋愛対象でないのであろう。

俺とコイツとの会話内容は
いつだって野球馬鹿のこと。

コイツから話し掛けてくる度に
俺の心は舞い上がる。

コイツが野球馬鹿の事を嬉しそうに話す度に
俺の心は張り裂けそうになる。

気持ちの上がり下がりが激しく、
まさにジェットコースターだ。

「…ぇ、ねぇ、ちょっと聞いてる?」

「っ、悪ぃ、聞いてなかった」

「ったく…そんなんじゃ、いつかツナに
見損なわれて捨てられちゃうねぇ?」

「なっ、馬鹿言ってんじゃねぇ!
俺は十代目の前ではしっかりしてんだよ!」

「じゃあツナの親友誇虎の話も聞いてよ」

ね?と首を傾げるコイツを見て顔が
熱くなったのはまた別の話。

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