え、ミーハーですけどなにか?
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――長太郎side、
『んで、ここが泊まるとこ?』
「ああ」
『…何で和風の旅館なの?』
「そ、それは色々あって…」
『ふーん』
なまえ先輩が怪しげに問うと焦りながら答える跡部さん。ったく、嘘が下手だなぁ…、
え?何で和風の旅館にしたか知りたい?あれは大阪に出発すると決めてすぐの話……
*****
「あ、そういや泊まる旅館ってどうするんですか?」
「アーン?泊まる旅館なんてどうでもいいだろ」
「どうでもよくありませんよ!どうせ跡部さんの事だからキラキラのお金だけ無駄にかけた旅館にする気でしょ?そんなの駄目ですよ!」
「……じゃあ、鳳はどんな旅館がいいんだ?」
「あ、跡部が微妙に落ち込んでる」
「もちろん和風の旅館です!!」
「「「和風?」」」
「はい!和風です!」
「長太郎、何で和風なんだよ?」
「フフフ…それはなまえ先輩の浴衣を見るために決まってるじゃないですか!」
「な、なるほど…それはええアイデアやな」
「おい、侑士。鼻血出てる…」
「じゃあ和風の旅館で決定ですね!」
*****
って事で和風の旅館になった。こんな事をもしなまえ先輩に言ったら、絶対浴衣を着てくれないのでこの理由はもちろん秘密だ
でも本当の理由は浴衣を見たいんじゃなくて浴衣は脱がせやすく、そして浴衣姿で乱れたなまえ先輩を見たいから。
あ、別に夜這いしようとか断じて思ってないよ?本当に本当だよ。ただちょっと乱れてもらうだけで…。
『…タ?チョタ!長太郎!!!』
「!、っはい!!」
『んもー、もうみんな入ったよ?』
「あ…すいません」
『なにか考え事?大丈夫?』
「大丈夫ですよ。さあ、俺たちも行きましょう?」
『あ…!う、うん』
どうやら考え事をしていたらみんな先に行ってしまい、待っていたのはなまえ先輩だけだった
そんな俺をなまえ先輩は本気で心配してくれた。
迷惑かけて悪いと思いながらも俺の事を本気で心配してくれた事に嬉しくてつい顔がニヤけてしまう
手を握り引っ張ると少し照れたように笑う先輩。全く可愛いんだから…。
そんな事を思いながら宍戸さんたちの後を追った
――長太郎side終わり、