第1章 -異世界編-
□1章15話 手がかり
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ひた、と頬に触れる。指先に伝わるすべすべとした感触。
「気に入ったか?服はこれを着ろ。お前にはやってもらいたいことがある」
そう言ってザーグは白いローブを一枚投げ渡した。
「……小さい……」
「さぁ、この遺跡から別空間に移動するぞ。ついて来い」
「別空間……」
「やっと着いたー」
「ここがアルセドニア……」
・*:.。.流通の街・アルセドニア.。.:*・
「朝だからかな?人通りねーな」
「店も開いてないし閑散としてる」
「街に着いたらまずギルドに行けってデュランさん言ってたよね?」
「ギルドあったよ」
智はいち早く剣と杖がクロスした木の看板を見つけた。
「開いてるかな?」
翔が向かってみる。ドアノブを回すと鍵はかかっていなかった。
「! 開いてる!」
続々と集まるメンバー。
「おはようございま〜す……」
「いらっしゃい。見かけない子達だね。任務完了報告かい?それとも申請者?」
「いや、あの、サマールのデュランさんからここを訪ねろと言われまして」
「あぁ、お噂はかねがね聞いてるよ。僕はラウム。よろしく」
「櫻井翔と言います。よろしくお願いします」
翔とラウムは握手を交わした。
「まず先にメンバーズカードを見せてくれるかい?」
「はい。確かこの辺に……ありました!どうぞ」
「ありがとう。ザーグについて知る人物に会いにきたんだよね?それならそこにいる彼女がそうだ」
「「彼女?」」
翔と潤がきょとんとする。
ラウムが指さす先にふたり掛けのグリーンのソファー。5人はほぼ同時に首を動かす。
「おっそ〜い。今頃ご到着?私、待ちくたびれちゃったわ」