第1章 -異世界編-
□1章12話 ウルストック
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「……」
「どうよ、あたし達の力!って、ニノ?お〜い。大丈夫?ぼーっとしてるよ」
心配そうに見つめるアリス。
「Σえっ!?あぁ、平気。ちょっと自分でも驚いただけ。これがリンクの力……」
「そ。ニノにも使えたじゃん、エレス。おめでとだね」
くすっと和也は笑う。
「ありがとう」
「ニノ」
「翔ちゃん!使えましたよ、俺にも。やっとね」
「うん、ちゃんとこの目で見た。すごかったよ!おめでとう」
ガクン。
「ニノ!?」
急に膝から崩れ落ちた和也を翔は支える。
「何か……めまいしちゃって……」
「大丈夫?」
ふぅ、とそのまま意識を失う。
「ニノ!おい!!」
「落ち着いて、翔。疲労で眠っただけ。時が経てばそのうち目が覚めるはずだから」
「そ、そうか……」
(そう言えば俺も松潤と初リンクした後、気分悪くなって倒れたっけ)
ふっと目を細める。
「お疲れ、ニノ」
・*:.。..。.:*・・*:.。..。.:*・
「……ん……んん……」
ゆらゆらと心地良い揺れ。うっすら目を開ける。
(何だろう……あったけーな。もう少しこうしてたい……)
「目、覚めた?」
「! J!?あれ?俺……」
潤の背中でキョロキョロとする。
「ニノ!起きたんだな。よかった〜」
「翔ちゃん……潤くん、ごめん。下りるよ。重いでしょ?」
「全然。ニノ軽いよ。だから気にすんな」
「潤くん……」
優しさに甘えるように顔を埋める。
「ありがと。まだしんどいから正直助かる」
「どういたしまして」