第3章 -タイトル未定-
□3章18話 -出会い-
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自分に関心が皆無の親。
何でも完璧にやってのける姉。
蔑むような目で、あたしを見る村の人々。
そんな人間に囲まれてあたしはこの村―――“ミストラル”で育って来た。
毎日が窮屈で窮屈で苦しくて、肩身の狭い思いをしていた……。
オルグ『出て行くつもりか』
シェリル『もうじき暗くなるよ?』
リアーナ『それなのにあなた、一体どこへ行くと言うの?』
あたしが出て行こうとしたら、一応は引き止めたけど……でも、それも形だけ。
森の中に佇むボロボロで小さな研究所を、あたしは振り返って見てみたけど……。
アリス(予想通りと言うか……)
誰ひとりとして追いかけてすら来ない。
アリス(はぁ…)
所詮、あたしはその程度か。
鳥が鳴き、鬱蒼とした寂しい森。
葉の隙間から木漏れ日が輝く。
アリス(…別に期待してなかったけどさ)