第3章 -タイトル未定-

□3章11話 -信じ合ったり、繋がったり、手を取ったりすればいい-
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大切な誰かを守りたい―――。

幼少の頃、リズは、あることをきっかけにそう強く願うようになった。

ガランとした自室の大きな窓を開け放ち、夜空に幾多の星々が輝きを放っていれば彼女は手を組み、必死に祈る。

リズ『もう、これ以上私は誰も失いたくない…っ』

リズ(私に――…私に大切な人を守れる力をどうか…!!)

?『……じ……られんな……』

リズ『!!』

聞き慣れた声に振り返る。

リズ『お父……様…?』

バルコニーに出ていると部屋の扉の向こうから微かな声がした。

父―――アトラスの声だ。

アトラス『まさかあのマリアが私がいない間に亡くなるとは』

執事『出かけた森でリズ皇女を敵から守ったそうですが……』

アトラス『思いのほか傷が深く、失血死……か。実に残念だ』

執事『えぇ。本当に……残念でなりません』

リズ『…っ』
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