第2章 -精霊編-

□2章4話 ほどける心
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「翔ちゃん!」

「宝箱、開けたらモンスターだった」

「ミミックだ!」

「もう。余計なことしてくれちゃって」

「何だよ!宝箱があれば誰だって開けるだろ」

マシロは杖をシュンと出した。

「このままにはしておけない。やるよ、みんな」

次々に構える。

雅紀も剣を手に厳しい表情で構えていた。

「どんなやつが相手だって絶対負けない」

尻餅をついていた翔も立ってスラリと剣を抜く。

「強そうよ、気をつけて」

サニアが仲間達に忠告した。

・*:.。.2章4話 ほどける心.。.:*・

雅紀達の前に立ちはだかるモンスター。ギザギザな歯と長い紫の舌、ギョロリとした大きな目が特徴的。

「!」

翔はハッとした。ミミックと思い切り目が合ってしまった。

「まさか俺狙われてる?」

サッと雅紀が前に出た。

「雅紀!」

ガキン。

翔に飛びかかってきたミミックを剣でガード。

「くっ!」

「このままじゃまーが押し切られる!!」

ミミックは長い舌をしゅるりと出して雅紀の剣にくるくると巻きつけた。

「!? うわっ」

遠心力でブンと雅紀の体ごと持って行かれて横へ投げられる。

「まー!」

「大丈夫、ケガしてないよ……」

雅紀はよろりと立ってついた砂をパンパンと手で払った。

「よくもやったなー!」

アリスの反撃。和也も弓で応戦する。

「「当たれ!」」

矢とアリスが投げつけたPちゃんがミミックに直撃。しかし……。

「やっぱり弾かれるかぁ」

「厄介な敵だこと」
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