第2章 -精霊編-
□2章1話 救世主
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・*:.。.2章1話 救世主.。.:*・
「食らえ、メガトンPちゃんパーンチ!」
「うぉっ」
草原で戦う雅紀達。アリスの元気なかけ声と共に巨大化したPちゃんの拳が大地に振り下ろされる。
ボコッと大きな穴が空いて砂埃が舞い、潤、マシロ、翔の視界が奪われた。
「……っ」
「何も見えない〜」
「目に砂が……」
「アリス!!」
「なに?」
「何じゃねーよ!お前もうちょっと考えて技使えよな!!」
「あー……ごめんごめんι」
「ったく」
一方の雅紀。
「えい!」
剣でウルフを切る。
「ふぅ……」
ちら、と剣を見る。赤い血がべったりとついていた。
(……)
草を踏み鳴らして一歩進み、魔物の亡骸を見つめる。するとそこへ智がやってきた。
「殺しちゃった。って、思ってるでしょ」
「うん。よくわかったね、リーダー」
「相葉ちゃん優しいもん。きっとそうじゃないかと思って」
「……本当はね?動物相手に剣なんて抜きたくない。けど、ヤらなきゃこっちがヤられるから」
「相葉ちゃん……」
「時々思うんだ、俺。エデンに来てたくさんの魔物を切ってきたけど本当にこれでよかったのかなって……」
「それならあなたはここで旅をやめたらいいわ」
冷たく言い放ったのはサニアだった。
「え?」
一瞬にして空気が凍りつく。
「うわ、キツ。もう少し言い方考えればいいのに」
アリスの横で翔も潤も驚きに目を丸くしていた。
「サ、サニアさん……?ι」
「……」