第1章 -異世界編-
□1章17話 忘れられた遺跡
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カツンカツン。
遺跡内を4人は横一列に並んで歩く。
「静かだね。何か歌う?」
「いいよ」
「走り出せ〜走り出せ〜明日を迎えに行こう〜♪」
「だからいいって!敵に気づかれたらどうすんの」
「今リーダーいいよって言ったじゃん」
「そのいいじゃないし」
「意外と中広いな」
「いかにもダンジョンってところだね。ニノがいたら喜ぶんだろうな」
カサ。
「ん?Σぎゃっ!?」
「相葉ちゃん?」
「ゴキいた!」
「どこに?」
「そこそこ!積み重なった瓦礫んとこに隠れた!!」
サニアに飛びついたまま必死に指さす。
「あ、いた。これ?」
「ひいい、見せなくていいι」
ゴス。
「……」
「でけーな、こいつ。相葉ちゃん、潰しといたからね」
「あ、うん……ありがとう」
「メイスのヘッド部分で1発か。武器って虫退治にも使えんのな」
「この辺りは湿気が多いから出るのよ」
「う〜。やだよ〜ι」
「……」
潤はツカツカと厳しい目つきで雅紀に近づく。
「? 松潤?」
「は・な・れ・ろ!」
ベリ。
「わっ!?」
「サニアさんが暑苦しいだろ」
「暑苦しいってなに!酷いなぁ。ま、いきなり飛びついた俺も悪いけどさ。サニアさん、ごめんなさい」
「いいわよ、別に。気にしないで」
やわらかく笑うサニア。雅紀もホッと一安心してつられるように笑う。