第1章 -異世界編-
□1章12話 ウルストック
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「ニノ、黄色のストーン持ってる!?あれば貸して!」
「あるけど一体何に――」
「Pちゃんはこう見えて増幅器(ブースター)なの!エレストーンをPちゃんの背にはめれば……力……増幅されるから……」
体力を奪い取られているアリスにも限界が訪れる。
「ニノ、とりあえず今はアリスの言う通りに」
「はい!」
和也は黄色のエレストーンをひとつ取り出す。
「何だかよくわからないけど……やるしかない!!」
Pちゃんを捕まえると背面カバーを開けた。指示通り黄色のエレストーンを穴にセットする。
「はめたよ!これでいい!?」
「うん!」
「!?」
アリスと意識が繋がる。
「何……この感覚……」
(アリスのしたいことが脳に直接流れ込んでくる)
「それじゃ、ニノ!反撃行くよ!!」
「! うん!!」
「「集まれ雷雲!」」
「!」
もくもくと黒い雲がキングクラーケンの頭上に発生する。
「悪いことをする奴にはお仕置きだよー」
「「超!!ド級!ゴロゴロサンダー!!」」
ピシャーン!
「いっ!?ι」
「ちょ、やり過ぎっ……ι」
稲妻が派手に落ちた。潤、翔は思わず体勢を低くする。雷に撃たれたキングクラーケンは真っ黒こげになって高い水柱をバシャンと上げた。
「や、やった……のか?」
「み、耳の鼓膜が……ι」
潤は足首に巻きついたものを外して立つ。
「翔くん平気?」
「すごいな、アリスとニノ」
雅紀の治療をしていた智も離れたところですっかり目を瞬かせていた。
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