第1章 -異世界編-
□1章6話 共鳴と安息
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翔は紫のエレストーンをブレスレットの穴にはめ込む。
「翔ちゃん!」
「くっ……大丈夫ι」
赤と紫のオーラが身を包む。雅紀は心配そうに見ていた。
天を仰ぎ、瞳を閉じる翔。
《松潤》
「!」
《松潤、聞こえるか?》
「え、何。テレパシー?」
頭の中で翔の声がダイレクトに流れる。
《俺がブレスレットに紫の石をはめたから松潤と意識が繋がったんだ》
「そうなの?すげぇ」
《なぁ、俺とふたりでそいつに大ダメージ与えてやんね?》
「え?どうやって」
ふと、赤と紫の炎が重なるビジョンが見えた。
「……っ。わかったよ、翔くんのやりたいことが!!」
《思いきりやってやろう!》
「フルパワーでな!」
「な、何?ι」
ふたりの会話は雅紀には聞こえていない。地上の翔と上空の潤を交互に見る。
「ふたりは一体どうする気なの?」
〈今、彼らは共鳴し合っている〉
「共鳴?」
(伝わってくる……翔くんの思考と力が俺に)
「「業火に抱かれて消えろ」」
「!」
「「レッドフレア!」」
・*:.。.1章6話 共鳴と安息.。.:*・
ドオン!
空中で起こった凄まじい爆発。夜空が一瞬、明るくなる。
「やったの!?」
落ちる細かい火の子。上空でしばらく煙が残った。
「……」
ゴクリと雅紀は息を飲む。
〈た、倒した……ι〉
見せつけられた威力。マシロの目がすっかり丸くなっていた。