第1章 -異世界編-

□1章2話 それぞれの能力
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「相葉くん!」

〈しっ、静かに。さぁ、雅紀。目を閉じて。君の中で燃ゆる新緑の炎に意識を集中するんだ〉

「うん……」

・*:.。.1章2話 それぞれの能力.。.:*・

座る雅紀に正面からフサフサの手をかざす小さな白熊の赤ちゃん。潤は黙って事の様子を見守る。

〈どう?気持ちがどんどん休まるでしょ?それが君の力だよ。人々を癒す優しき風の力〉

「風の……力……」

ゆらゆらゆらゆら。

真っ暗な中で明るい緑の炎がゴォッと燃える。

(熱い……胸の奥が。この感覚は何?座ってるのにふわふわ浮いてるような感じするしすごく心地良い)

「ん……」

ふと、雅紀は閉じていた目を開けた。

「お帰り」

「ま、松潤……た、ただいまι」

「これでわかったっしょ?俺の言いたいことが」

「うん、まだ現実味ないけどね。でも、確かに感じたよ。すげー気持ちよかった。俺の中、とろけるように熱くなって……」

「これ、RPG小説の予定だよね?そんな官能的な言い方だと読者にあらぬ誤解されない?」

「え?あ、違っ……そういう変な意味じゃなくて!!///ι」

ガチャ。

「誰かきた」

「おはようー」

「あ、翔ちゃん」

「相葉くん、おはよ。松潤も」

「はよ」

楽屋に現れた櫻井翔。持ち込んだ新聞をバサリとテーブルに置いてかけてあるハンガーに手を伸ばす。

「朝から降っててたまんねーな。今日ずっとこんなだって。気温も上がらないみたい」

「マジ?風邪引かないようにしないと」

「ねぇねぇ、翔ちゃん」

「ん〜?何〜?」

「いきなりで悪いんだけどさ、この子を持って目を見てくれない?」

「は?何で?」
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