みじかいよみもの

□友達の友達の友達が
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「あ、そうだ。兵助に渡すもんがあったんだ!」


メロンパンをかじりながら八左ヱ門が言った。
器用な奴だ、と思いながら俺は自分の弁当を食べ進める。


「またラブレター?八っちゃん、本当にモテモテだよね」


反応しない俺に代わって、勘右衛門がにやにやしにがら突っ込んだ。
面倒見が良く、分け隔てない優しさを持つ我が友は男女共に好かれていて。
よくラブレターを貰う。
俺宛の。
何故か俺へのラブレターは八左ヱ門を経由して来るのだ。
本人も不本意らしく、いつもぶちぶちと文句を言っている。
はぁ、と思わず溜息が出た。
好意は素直に嬉しい。
だけど。
名前も知らない人からの手紙なんて、とも思う。
応えられないのだから、気が重い。
などと言うと、八左ヱ門は怒るんだろうな。
贅沢者、とか言って涙ぐんで。
そんな事を考えながら、弁当から視線を上げると正にその顔をしていた。


「うるっせーな!どうせ、俺はモテないよ!ていうか、ラブレターだなんて一言も言ってねーし!これだよ!これ!」


逆ギレ状態のまま、突き付けてきた物。
瞬間、俺は絶句した。




《友達の友達の友達が》
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