ツイステ×ぐだ子
□否や
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《それは、》
「あ…」
掴んだものは竪琴ではなく、空気だった。
あんなに協力して、託されたのに。
届かなかった。
勝てなかった。
私は、負けて、しまった。
「あ゛あぁあ!リツカ!」
「うっし!捕まえたぞ!」
「うわぁー、そこ間に合っちゃう?」
「トレビアンだ!!素晴らしい!」
後ろで、声が聞こえる。
悔しそうな声と、嬉しそうな声。
大丈夫。
死んで、ない。
生きてる。
みんな、生きてい、る。
「おい、どうした?」
訝しんだ声が頭上からする。
押さえられていた肩から重圧が消え、確かめる様に揺すられた。
良かった?
違う。
そんな事、思っちゃいけない。
思っていい筈がない。
指先が、冷えていく。
痺れて、感覚が無くなっていく。
息が、上手く、出来ない。
呼ばれて、振り向いて。
見上げた先の光景に心臓が止まった気がした――――。
《それは、》
終わり
本当に、止まれば良かったのだ。
―――――――なんて。