Sdream

□以心伝心
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「ごっつimportance problem やで!!」

「…ワンモアプリーズ?あんど、ジャパニーズ、プリーズ」

「…ええか、夢子。ごっつ大切な問題や」

「…ほわっと?」

「ああ、アカンな。そこの発音はwhat?や。もっと舌をやな‥」

「どうでもいいから。その大切な問題言いなさいよ」










以心伝心










大切な問題と言い出した忍足侑士。

彼の隣で聞いてあげてる氷帝テニス部マネージャー兼忍足の彼女、夢子と氷帝R陣。



今は大事な強化合宿中。



しかも、ミーティング中だったので、みんな忍足に耳を傾ける。



「ええか、1語1語しっかり聞きや」



いつになく真剣な忍足の瞳。

みんな黙って耳をすます。



「あんな…」

「うん、何‥?」

「東京に蝉が出現したらしいで!!」



ガクっと。



音が聞こえそうなくらい力の抜けるR陣と夢子。



「馬鹿じゃねぇのか、アーン?!」

「そうだぜ、侑士!いきなりなんなんだよ!」

「‥それに東京にだって蝉くらい出現しますよ」

「激ダサだな…」

「ちょっと宍戸!人の彼氏に向かって激ダサとはなに?!確かに馬鹿だけどダサくないわ!」

(………フォローしてるつもりか‥?)



跡部、向日、鳳、宍戸がそれぞれツッコミを入れる。

何も発言しない樺地、日吉、芥川。

樺地はいつもの事として、芥川はきっとミーティングなんか聞かず寝ていて、日吉はツッコミを入れる気にならないほど飽きれているのだろう。



「なんや、みんなして!蝉やで?あの蝉が出現しとるんやで?!」

「どの蝉だよ」

「蝉くらい東京にだって出現するって言ってるだろうが」

「そこやない!もっと根本的なとこや!奴が出現するなんてどないすんねん!」

「貴様は蝉の出現にどうしたいってんだ?!」

「抹消したいわ、あれ見た目最悪やで!」

「侑士、お前っ…蝉好きの人間に土下座しろよ!」

「なんや、岳人は蝉ファンやったんか!?」

「うっそ!?がっくん、そうだったの!!?」

「嘘だよ!嘘に決まってんだろ!?ファンじゃねぇよ!クソクソ侑士!!」


「でも、なんでそこまで忍足先輩は蝉を嫌うんですか?」

「そうだぜ、忍足。長太郎の言う通り、なんでそこまで嫌うんだ?」

「見た目でそこまで嫌いなの?」



もうミーティング中だったという事を覚えてる人は誰ひとりいないよう。



「ちょっと、待て忍足。てめぇ、なんで東京に蝉が出現した事を知っていやがんだ?」

「そんなん簡単や。東京にいるダチにメールで聞い…あ。しもた」

「ほぉ、俺様仕切るミーティング中にメールなぁ。」



右の眉をぴくぴく上下させ、引き攣って笑う跡部。

彼ひとりはミーティング中だった事を覚えていた。



「や、跡部?これはやな、」

「問答無用だぜ、忍足。」

「侑士!みんな跡部の話なんか眠くて仕方ないのに我慢して聞いてるんだよ?」

「おい…」

「それなのに、ひとりだけメールってどうゆう事?!」

「おい、ちょっと待て夢子、てめぇ」

「それでも私の彼氏?!なんで私にメールしないのよ!」

「「「そこじゃねぇだろ!!?」」」

「夢子先輩…」



ツッコむ跡部、宍戸、向日に、苦笑いをする鳳。



「スマン、堪忍な?夢子とはメールなんかせんでも繋がっとるもんやから。」

「…もぉ、侑士ったら〜そんなことあるけどさ!」

「蝉も嫌いやろ?」

「好きじゃないね!」

「「「お前等いったい何なんだよ!!」」」

「…跡部部長、俺たちもう寝ても良いですか」

「ウス…」

「芥川さんも眠ってますし、俺が部屋まで運びます」



「失礼します」と日吉が出てゆき、樺地も会釈をして出てゆく。



「…俺たちもあんなバカップルは放っておいて寝るか。」

「そうですね。」

「夢子の言うように、跡部の話眠かったしな」

「ああ。」

「ァーン!?」



自分たちも睡眠に入るべく、忍足たちを残し去ってゆく。



「私たち、以心伝心だよね」

「ああ。そうやな」



次の日、いつにもまして仲良しなカップルが一組あったとか。











fin.


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